ミシェル・ルグラン・トリオ Paris Jazz Piano

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締切のある仕事に追われて、CDがなかなか聴けない。たまに聴こうとすると、ステレオセットが置いてある応接間は娘たちがアニメのDVDで占領中。

春らんまんの桜の季節にふさわしいと取り出したのがこれ。才人ルグランのジャズがたっぷりと味わえた。

シャンソンやパリにちなんだ名曲をピアノ・トリオで演奏。シャンソンといえば感傷的な秋と相場が決まっているが、これは生き生きとしたリズムのルグラン・ジャズ。春の訪れにもってこいだ。

ルグランは生粋のパリっ子だけあって、センスのよいしゃれた味わい。ピアノのテクニックもすばらしい。

<パリの四月>は、我が家の貧しい応接間がパリのナイトクラブに変身する。<パリの空の下>のジャズワルツの心地よさ。わずか2分弱の愉悦。おもしろいのは<わが愛するパリ>。ドラムではなく、ガス・ウェイルズの全編コンガが響き渡る。これがじつに様になっている。以前同じスタイルのエロール・ガーナーの映像を見たことがある。もしかしたら真似したのかもしれない。

録音(1959年)当時ルグランはまだ無名だった。その後ジャズはむろん、映画音楽、ムード音楽、クラシックといずれのジャンルでも大活躍はご存知の通り。クラシックでは、フォーレのレクイエムなんてものまで録音している。本物の音楽家はジャンルなど関係ないのだ。

データ
ミシェル・ルグラン・トリオ Paris Jazz Piano
パリの橋の下/パリは夜もすがら/パリの四月/パリの空の下/パリ・カナイユ/わが愛するパリ/アイ・ラヴ・パリ/ザ・ラスト・タイム・アイ・ソウ・パリ/ムーランルージュの歌/バラ色の人生

ミシェル・ルグラン:p ギ・ペデルセン:b ガス・ウェイルズ:ds
1959年10・11月 Blanqui スタジオ(パリ)

GITANES フランス盤 548 148-2
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# by wall-cd | 2008-04-05 23:54 | CD紹介 ジャズ

ドヴォルザークの新世界交響曲 リボル・ペシェク

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ペシェクつながりで、ドヴォルザークの新世界交響曲を聴いた。おそらくピルツ音源ながら正式表示。遊霊になったりちゃんと表示したりと、どうもピルツ系はわからない。

お国ものだから民族色豊かな演奏かと思いきや、知的で整理された印象。どの声部も明瞭に浮き上がり、曲の構造がはっきりわかる。解説付きで聴いているかのようだ。まじめな楷書の芸風。その分小ぶりな感じは否めない。ハイドンやベートーヴェンの延長としての古典性をめざしたのだろう。有名な第2楽章のコールアングレは肉感的な音色で魅力がある。

おまけのように作品72のスラブ舞曲から3曲が付いていた。こちらはピアノ連弾(二重奏かもしれない)で、ゆったりとロマンチックな演奏。本来家庭で楽しむための曲集なのがよくわかる。ちょっと得した気分。演奏者のクレジットはない。

データ
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」作品95

リボル・ペシェク指揮 スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団

ドヴォルザーク:スラブ舞曲 作品72より 第2番/第8番/第7番
(演奏者のクレジットなし)

クラシカル・マスターピース カナダ盤 CM-2-7008
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# by wall-cd | 2007-10-09 11:13 | CD紹介 交響曲

ベートーヴェンの交響曲第2番 アルフレッド・ショルツ

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今夏の異常熱帯のせいで、3ヶ月近くも更新を怠ってしまった。ステレオがある部屋にクーラーがないため、とても聴く気にならない。無理して聴いてもすぐ汗だくになり、ちっとも楽しくない。

ようやく涼しい日が増えてきた。ベートーヴェンの交響曲が聴きたくなった。といっても重量級は夏ばての身に自信がない。第1番か第2番がいい。

で、目に留まったのがショルツの第2番。例によって遊霊らしい。安田裕隆さんの調査<安田の部屋>によると、本物はリボル・ペシェク指揮スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団とのこと。

この演奏はとてもいい。第1楽章序奏部のトランペットやホルンが若々しく響く。各楽器の音量バランスがとてもよく考えられていて聴きやすい。この曲の古典的造形とベートーヴェンの革新性がほどよく調和している。弦の響きも美しく、高名指揮者の演奏に引けをとらないと感じた。

蛇足。チェコ系のオケをイギリスのオケと偽るのはクラリネットが影響しているのではなかろうか。いずれも伝統的にビブラートを多用する。録音で聴くチェコフィルなどはこの点が顕著だ。この演奏もよく聴くと、薄くビブラートをかけている。

データ
ベートーヴェン:交響曲第2番 作品36/序曲「エグモント」作品84

アルフレッド・ショルツ指揮 ロンドン交響楽団

ピルツ 旧西ドイツ盤 CD 160 204
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# by wall-cd | 2007-09-19 12:56 | CD紹介 交響曲

本田竹曠/井野信義/森山威男 マイ・ファニー・ヴァレンタイン 他1枚

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本田竹曠トリオではない。本田、井野、森山の併記となっている。誰がリーダーでもない。日本を代表するジャズ・ミュージシャンの密度の濃いコラボレーションが聴ける。

とはいえ、ピアノ・トリオの中心はいうまでもなくピアノだから、耳はどうしても本田のピアノに行く。

本田はアグレッシブな演奏家だ。あふれんばかりの音楽的生命力で、聴き手をノックアウトする。晩年の演奏は鬼気迫るものがあったという。

ネイティブ・サンの爆発的人気により、本田は一躍時代の寵児になった。当時の先端を行くフュージョン・サウンドはじつにかっこよかった。しかしいま聴き直すとどうだろう。やはり一時の流行という感は否めない。

ネイティブ・サンの活動に疲れたのだろうか。1985年、唐突という感じで2枚のピアノ・トリオのアルバムを発表する。それが<マイ・ファニー・ヴァレンタイン>と<イン・ア・センチメンタル・ムード>だ。

ここでの本田は完全なメイン・ストリーマーだ。フュージョンの影は微塵もない。曲目もジャズファンならおなじみのスタンダード・ナンバーだけ。

アグレッシブな演奏は相変わらずだが、リスナーを力技でねじ伏せるという強引さはない。余裕がありくつろぎすら感じる。メインストリーム・ジャズに回帰した心情が痛いほどに伝わる。本田が本当にやりたい音楽だ。これを感じ取れない人間に、このCDを聴く資格はない。

発売当時に購入。同じデザインで2枚並んでいたが、好きな<枯葉>があるほうを買って家で聴く。衝撃が走る。すぐにレコード・ショップに引き返し、もう1枚も買う。2枚6,400円は、ウォールには大きな出費だ。しかし生涯の宝物を得る。値段の問題ではない。

本田は昨年1月に逝去した。ありきたりの追悼など書かない。折にふれてこのCDを聴く。20年以上だ。何も変わらない。変わるはずがない。

データ
<マイ・ファニー・ヴァレンタイン>
オン・グリーン・ドルフィン・ストリート/ステラ・バイ・スターライト/マイ・ファニー・ヴァレンタイン/リトル・ビーズ・ポエム/いそしぎ/ブルース・オン・ザ・コーナー/マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ/ラウンド・アバウト・ミッドナイト

<イン・ア・センチメンタル・ムード>
ミスター・P.C. /ミスティ/チュニジアの夜/ボディ・アンド・ソウル/枯葉/ ワンス・アイ・ラヴド/イン・ア・センチメンタル・ムード/エブリシング・ハプンズ・トゥ・ミー

本田竹曠:p 井野信義:b 森山威男:ds
1985年4月3~4日 CBS・ソニー信濃町スタジオにてデジタル録音

CBS・ソニー 32DH 231(マイ・ファニー・ヴァレンタイン)
CBS・ソニー 32DH 232(イン・ア・センチメンタル・ムード)
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# by wall-cd | 2007-06-14 09:43 | CD紹介 ジャズ

ブラームスのヴィオラ・ソナタ集 ヴァルディ/Sturrock

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クラシック音楽を聴き始めた頃、ブラームスといえばハンガリー舞曲第5番。これは自ら吹奏楽でも演奏、ブラームスとの最初の出会いだ。以後ブラームスに親しむが、もっぱらオーケストラ曲中心。たくさんある室内楽曲は、まだその一部を聴いているのみ。これからの楽しみだ。

この曲(ソナタ第1番、第2番)は例外的に高校時代から聴いていた。吹奏楽部でクラリネットを吹いていたからだ。

元来クラリネット・ソナタであるが、ヴィオラでもよく演奏される。ヴァイオリンの版もあるという。

クラリネットで聴くとじつに端正で、しみじみとした味わい。ヴィオラになると弦の性質からか、やや肉感的になり表情が濃い。それぞれのよさがある。

ヴァルディのヴィオラは、音色がかなり独特だ。うまく表現できないが、低域よりも中音域にいぶし銀のような艶がある。郷愁を感じる音色だ。押し付けがましくなく、すっと心に入ってくる。とても親密なブラームスだ。

チェロ・ソナタ第1番の編曲も弾いている。ヴィオラ・ソナタとはがらりと表情を変え、雄弁でどっしりとした構成感が見事。当然チェロのような柄の大きさは出ないが、ヴィオラの繊細さは独自の領域だ。

クラリネット五重奏曲等のしっとりとしたブラームスの室内楽曲は、晩秋にふさわしいというイメージがある。ヴァルディのブラームスは、春の陽光を感じさせるようだ。この時期にふさわしい。

データ
ブラームス:ヴィオラ・ソナタ第1番 同第2番 作品120/ヴィオラ・ソナタ(原曲:チェロ・ソナタ第1番)作品38

エマニュエル・ヴァルディ Emanuel Vardi:va
Kathron Sturrock:p

IMPマスターズ イギリス盤 MCD 50
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# by wall-cd | 2007-03-29 18:14 | CD紹介 器楽曲

ベートーヴェンの運命交響曲/皇帝協奏曲 ヨッフム/コワセヴィチ/デイヴィス

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<運命>と<皇帝>、交響曲とピアノ協奏曲の王者の組合わせ。ありそうで実際には意外と少ないカップリングではないだろうか。アナログ盤では、運命の裏側が未完成と相場が決まっていた。ヴァイオリン協奏曲のいわゆるメンチャイ、<アルルの女>と<カルメン>、<白鳥の湖>と<くるみ割り人形>などの定番組合せは、CD時代になって減った感じがする。アナログ盤での運命と皇帝のカップリングは、セルの運命とカサドゥジュの皇帝(日本ビクター盤)をもっている。

最初のヨッフム。ヨッフムは穏健で誠実といったイメージだろうか。しかしこの<運命>はちょっと違う。まず若手指揮者かと思うくらいテンポが早く、スタイリッシュ。ドイツ的な粘りはあまり感じられない。終楽章の迫力も十分にある。叩きつけるような強奏でも柔らか味を感じるのは、コンセルトヘボウの持ち味か。このコンビの相性はなかなか良いようだ。

コワセヴィチの<皇帝>はじつに若々しい息吹に満ちている。健康的で心地よい皇帝だ。第2楽章はことさら深刻ぶらずに静謐さをかもし出している。素直な解釈が好ましい。ベテランのデイヴィスは包容力のある伴奏で、若いコワセヴィチを盛り立てている。1969年の録音なので、コワセヴィチ29歳、デイヴィス42歳頃の演奏。

データ
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」作品67/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」作品73

オイゲン・ヨッフム指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
スティーヴン・ビショップ・コワセヴィチ:p
コリン・デイヴィス指揮 ロンドン交響楽団

フィリップス コンサート・クラシックス 日本フォノグラム DMP-201
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# by wall-cd | 2007-02-20 12:21 | CD紹介 協奏曲

坂元輝トリオ FANCY JAZZ PIANO

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4日前に、まいさんの書き込みで知ったテリー・ハーマンことテルさんの復活ライブVol.2を聴いてきた。

ウォールが新宿のライブハウスでテルさんの生演奏を聞いたのは1988年。およそ20年ぶりの再会である。昨年12月の復活ライブ第一弾はまったく知らなかった。

1月10日夜、会場は代官山のCANDYというレストラン。こじんまりとした雰囲気のよい店だ。

まだそれほど知られていないのか、お客さんは30名弱。テルさんの楽しいおしゃべりで進行する。10年くらいライブから遠ざかっていたという。ジャズ教育に専念していたが、また演奏をしたくなったとのこと。

2部構成で、前半は30分くらい、後半は1時間以上の熱演が繰り広げられた。テリー・ハーマン・ファンにはおなじみのナンバーが続々と登場。歌謡曲、ポップソング、クラシック、童謡など、どんな曲でもジャズにしてしまうテルさん節は健在だった。<枯葉>と<冬ソナ>をシャッフルしてしまう遊び心に思わずニヤリ。最後の<ブルー・アランフェス>で見せた速射砲のような連打には、どぎもを抜かれた。ジョークではなく、あまりの速さに指が見えないのだ。

弾くことが楽しくて楽しくて仕方ないといった風情のテルさん。<赤いスゥイートピー>を軽やかに弾くテルさん。ピアノは坂元輝、ベースは根市タカオ、ドラムスはサバオ渡辺。いずれも50代(たぶん)のおじさんたちは、当夜熱く輝いていた。

テリー・ハーマン・トリオは、今後月1回のペースでライブを続けるという。うれしいニュースだ。時間とお金の余裕がある限り聴きに行こう。

テルさんは最近ブログを開設したらしい。このライブについても書いている。
テル先生のジャズピアノ夢実現法

代官山のCANDY

このCDはカラオケメーカーのCTAがリリースしたもの。テリー・ハーマンの名は日本コロムビアの専売らしく、坂元輝トリオの名義になっている。

ここでもポップソング、歌謡曲、ジャズのスタンダード・ナンバー、クラシック(何とバイエル!?)と坂元輝らしい選曲。ボサノバと4ビートのリズムが交互に現れるA.C.ジョビンの名作<波>、ドスの利いた和太鼓をほうふつとさせる<女ひとり>など、アレンジにも気を配っている。聴き応え十分。<愛の水中花>など歌謡ジャズ(なんてジャンルはないが)の傑作だ。

データ
坂元輝トリオ FANCY JAZZ PIANO
ウェイブ(波)/ヘイ・ポーラ/キュート/砂に消えた涙/愛の水中花/バイエル90番/女ひとり/いそしぎ

坂元輝:p 鈴木孝廣:ds 山口和与:b

シーティーエー JD-1001
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# by wall-cd | 2007-01-14 12:43 | CD紹介 ジャズ

ショパンのワルツ集/マズルカ集/英雄ポロネーズ タマーシュ・ヴァーシャリ

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ショパンのワルツ(全19曲のうち17曲を収録)中心に、マズルカ4曲と英雄ポロネーズを聴く。

ショパンは陰影の深い作曲家だ。底抜けの明るさというのはほとんどない。ワルツのように一見優雅で軽めの作品でも、ときおり深淵に立たされたような不気味さが漂う。

だからこそウォールは、ハラシェヴィッチのような健康的なショパン演奏を好む。ヴァーシャリのワルツは容赦なく影の部分を暴く。陰気というのではない。ブリリアントなスタイルを崩さず、しかもほの暗い情熱をたたえている。初めて聴いたときは平凡な演奏だと思った。その頃はショパンのワルツをサロン的で優美な曲としか聴いていなかったからだ。

マズルカは民族的リズムを強調することもなく、自然なテンポ感。ショパンの故郷に対する追憶が、ほの暗い陰影とともによみがえる。

英雄ポロネーズは威風堂々たるたたずまい。強音でも力任せにたたきつけるような弾き方はしない。ピアノの全域にわたって量感たっぷりに響かせる。

ヴァーシャリはグラモフォンが肩入れした演奏家であり、60年代にショパンを中心に多数の録音を残した。なかでもショパンのピアノ協奏曲第2番は、この曲の一番好きな演奏である。最近はプダペスト響の指揮者として活躍しているようだ。

データ
ショパン:ワルツ 作品18/作品34(全3曲)/作品42/作品64(全3曲)/作品69(全2曲)作品/作品70 遺作(全3曲)/ホ短調 ホ長調 変イ長調 変ホ長調(以上4曲は作品番号なしの遺作)
マズルカ ニ長調 遺作/作品67-3/作品68-2/作品7-1
ポロネーズ「英雄」作品53

タマーシュ・ヴァーシャリ:p

グラモフォン プリヴィレッジ 旧西ドイツ盤 427 201-2
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# by wall-cd | 2007-01-10 10:28 | CD紹介 器楽曲

バッハ ヴァイオリン協奏曲集 プレズィーナ/デュヴィエ/カメラータ・ロマーナ

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ヴァイオリン協奏曲が続く。今度はバッハの3曲だ。これまた甲乙つけがたい名曲。ウォールはクラシックの声楽は苦手なので、バッハはもっぱら器楽作品を聴いている。有名な作品しか知らないが、楽曲の構想力と構築性はやはり類をみないと思う。何度聴いても飽きることがない。<古今最大の作曲家>という称号に値する偉大な作曲家だ。

ウォールは<2台のヴァイオリンのための協奏曲>がとくに好きだ。2つのヴァイオリンが織りなす調和と緊張感。やや古いゴシック的な両端楽章に挟まれた第2楽章の天国的な美しさは、聴くたびに終わるのが惜しいと感じる。

第1番はバッハらしいきびきびとした曲想。第2番は祝祭的な音楽の喜びにあふれている。いずれも第2楽章の深々とした情感は比類がない。

バッハは、この3曲以外にもヴァイオリン協奏曲を作曲したことは確実という。楽譜は死後に二束三文で売られたというから、散逸もやむをえない。むしろこの3曲が生き残ったことが奇跡なのかもしれない。神に感謝しよう。

ピルツの游霊演奏で聴く。現代楽器によるがっちりとした演奏。ヴァイオリン、オケとも、一音一音の音価をゆるがせにしない。第1番の緊張感はなかなかのものだ。<2台のヴァイオリン>では、ヴァイオリンの音色の違いも楽しめる。プレズィーナの張りのある音に対して、エリアスはおっとりとした音色。元気な兄に付いていく堅実型の弟という感じだ。


データ
バッハ:2台のヴァイオリンのための協奏曲 BWV1043*/ヴァイオリン協奏曲 第1番 BWV1041/同 第2番 BWV1042

J.プレズィーナ Brezina:vn F.エリアス Elias*:vn
ユージン・デュヴィエ指揮 カメラータ・ロマーナ

ピルツ 旧西ドイツ盤 CD 160 101
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# by wall-cd | 2007-01-09 11:30 | CD紹介 協奏曲

ベートーヴェンとブラームスのヴァイオリン協奏曲 ミラノヴァ/ミンチェフ/ステファノフ

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ヴァイオリン協奏曲の最高峰2曲。名曲中の名曲だ。それだけに聴くほうも自然と力が入る。

ブルガリアは優秀な弦楽器奏者を輩出しているという。このCDの演奏者もブルガリアを代表するヴァイオリニストだろう。インターネットで調べてみると二人ともカール・フレッシュ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝していた(ミラノヴァは1970年、ミンチェフは1974年)。

ミラノヴァは古典的で端正な演奏。ベートーヴェンとしては優美で貴族的な曲の持ち味をよく表現している。高音が透明な美音だ。個性的ではないが安らぎを感じて心地よい。

ミンチェフは劇的で情熱的な表現。ビブラートたっぷりに、ブラームスの内に秘めた情熱を外に引きずり出すかのようだ。技術的には速いパッセージで多少音程がふらつきぎみ。第1楽章のカデンツァは重音を多用した技巧的なもので、聴き応えがある。

ステファノフとブルガリアのオケはこのCDで初めて聴く。堂々としたよい伴奏だ。ベートーヴェンの格調の高さとブラームスの渋いロマンティシズムが十分に味わえた。ブラームス第2楽章のオーボエの切々とした響きが忘れられない。

データ
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 作品61
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 作品77*

ストイカ・ミラノヴァ:vn
ミンチョ・ミンチェフ:vn*
ヴァシル・ステファノフ指揮 フィルハーモニア・ブルガリカ

ヴィヴァーチェ オランダ盤(バルカントン原盤) 209(2枚組)
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# by wall-cd | 2007-01-09 00:23 | CD紹介 協奏曲